次回つくばエクスプレスに乗るときに少し楽しくなる読み物

こんにちは。Twitterのアカウントが凍結されるとこんなにも暇なんですね。日頃Twitterにどれだけ時間を取られているのか身にしみて分かります。

暇すぎて暇なので、暇つぶしとして暇つぶしに読める投稿を書こうと思います。

交直切り替えポイントを感じろ

いきなり「交直切り替えポイント」などと言われてもなんのこっちゃ、って感じでしょう。

電車というものは、基本的に直流電流か交流電流のいずれかの電流方式で走ります。どちらにも対応するのは面倒ですしコストもかかるので、当然といえば当然です。

しかし茨城県には邪魔者がいます。その名も「気象庁地磁気観測所」。こいつの周囲半径35km圏内では、電車は直流電流で走ることが許されません。電車を走らせるための高圧直流電流が観測を狂わせるからです。

そこでつくばエクスプレスは「路線の途中で交流と直流を切り替える」ということを行います。

その切り替えポイントは、守谷駅みらい平駅の間。直流と交流を切り替えるときに何が起こるかというと、基本的に何も起こりません。車両がガタガタ言うわけでもなければ、急に減速したりすることもなく、当然車内放送なんかもありません。

じゃあどう感じるんだよ、と言われそうですが、ちゃんと感じる方法はあります。つくばエクスプレスはドアの上に停車駅をランプの点灯で示した路線図がありますね。そのランプが、交直切替中は消えます。

車内の照明は点きっぱなしですし、反対側のドアの上にある電光掲示板も点灯していますから、路線図だけ消えるのはおそらくつくばエクスプレスのサービス精神によるものでしょう。

今度つくばエクスプレスに乗った時は、守谷駅みらい平駅の間でジッと路線図を見てみてはいかがでしょうか。

2018/01/23 00:16 追記

交直切り替えのところに、「エアコンが止まる」「屋根上と床下からガコンと音がする」を追加して

だ、そうです。ガコン音は知りませんでした。情報提供は いろどり君。(追記終わり)

筑波大生のオタク度を高める計画がある

筑波大生、オタク多いですよね。僕の周りに多いだけかもしれません。そんな気がしてきました。

オタクの祭典といえばコミケコミケといえば国際展示場。行ってみると分かりますが、つくばから国際展示場に行くのは案外面倒くさいです。今まで山のような筑波大に生息するオタクが「つくばエクスプレスが国際展示場まで伸びればなあ」と思ったことでしょう。いや、そんな贅沢想像さえしなかったかも知れません。

実はそれ、国が計画しています。

そもそもつくばエクスプレスは「常磐新線」として構想され、元々は国鉄、JRが運営するはずのものでした。しかしJRが予算不足であり、しかもJRは「茨城に新路線?儲からないっしょww人いねぇじゃんwwwwwww」というスタンスだったので、計画はJRの手から離れます。

しかし筑波大学もできたことですし、計画の沿線自治体はどうしても鉄道を誘致したい。そこで自治体が取った作戦は「鉄道の沿線自治体が株主となり、私鉄として鉄道を敷く」というもの。いわゆる第三セクターという形です。

この当時、つくばエクスプレスの東京都側の終着駅は「東京駅」でした。実際、 流山市の資料には東京駅のどのあたりにつくばエクスプレスのホームを置くかという具体的な図まで載っています。

しかしつくばエクスプレス第三セクター。お金がありません。秋葉原駅から東京駅まで開業するには1000億円も不足がありました。困ったつくばエクスプレスは、「1000億円をかき集めるよりも、とりあえず先に秋葉原つくば間を開業させる」という策を取りました。これが今のつくばエクスプレスです。

つまり、つくばエクスプレスはまだ発展途上路線、建設計画はまったく完遂されていなのです。

以上の通り、開業当時からつくばエクスプレスを東京まで伸ばすという話はありました。

物語はまだ終わらず、首都圏にはもうひとつ全く別の計画が存在しました。それは「東京駅付近と東京臨海部をつなげる」というもの。これは豊洲市場がオープンすることともリンクした話です。その東京臨海部に何があるかというと、そう、国際展示場です。この計画の大枠は「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」ですから、国際展示場駅(あるいは付近の駅)には接続すると考えて問題ないでしょう。

これらの2つの計画を抱えた国が何を考えたかというと、「2つの計画合体させれば安く済むんじゃねw」という安直極まりないアイデアです。つまり、「つくばエクスプレスを東京まで延伸、ついでに東京臨海部まで鉄道を敷き、そいつらを相互運用する」という案が突如として浮上したというわけです。

ダラダラと書きましたが、要するにつくばと国際会議場を直結させるという計画を国は考えているということです。そんなの須田の妄想じゃねぇの、と思う方はこの資料の30ページをご覧ください。

めちゃめちゃ速いつくばエクスプレス

つくばエクスプレス、高いですよね。その分速いという意見もありますが、まったくもってその通りです。

どのくらい速いかというと、なんと国内最速です。

さすがに新幹線や特急列車には負けますが、追加料金無しで乗れる列車(JRで言う「普通」「快速」のくくり)の中では北海道の「快速エアポート」、瀬戸大橋を渡る「マリンライナー」、常磐線の快速に並んで国内最速の130km/hです。つくばエクスプレスの快速はつくば-北千住間の停車駅が極端に少ないため、この区間ではほとんど100km/h超えをキープします。

また、今回この投稿を書くために調べていて初めて知ったのですが、この資料によると、将来的な最高時速は160km/hだそうです。そこら辺の特急よりも速いですね。都内まで30分という未来も遠くないかもしれません。

つくばエクスプレスは地下にもぐってみたり比較的キツいカーブがあったり高架区間があったり川を渡ったりと、かなり車景が楽しい路線です。乗客が多くて立たなければならないとき、しれっと運転室の後ろに立って前面の景色を眺めてみれば楽しいこと間違いなしです。

いろいろ無い

つくばエクスプレスに乗っていると、やたらと線路がシンプルなことに気づきます。鉄道好きじゃないと気づかないと怒られそうですが、とにかく気づいたことにしましょう。

なぜシンプルになっているかというと、普通に目に見えるところに信号機が無いことと、踏切が1つも無いということが原因でしょう。

つくばエクスプレスの信号機はどこにあるかというと、運転士さんの目の前、あのゴチャゴチャした機械の中にあります。つくばエクスプレスでは信号機を設置したり整備したりするコストを下げたり、「都内に入ったらキツキツのダイヤ、都外では高速運転」という特殊な運転に対応したりするため、他の鉄道ではよく見かける地上配置の信号機を無くし、列車本体に信号機を組み込んだのです。

つくばエクスプレスには踏切もありません。踏切は事故の多発ポイントですから、踏切が多い路線では手放しに列車を高速で走らせるわけにはいきません。どうしても高速で走らせたいつくばエクスプレスは、踏切を1つも作らないことにしました。道路が多くすでにたくさん鉄道が張り巡らされている都内では地下を、郊外では周りより一段低くしたり逆に高架にしたりして対処しています。しかしこのような路線を建設するには莫大な資金が必要です。先にも記したように、つくばエクスプレスが東京駅ではなく秋葉原駅発着である原因は資金不足。踏切がなく安全な路線を建設する代償として、つくばエクスプレスの終着駅は秋葉原になったと言っても過言ではないでしょう。

「無い」に絡めますと、つくばエクスプレスでは人身事故がほとんど発生しません。2018年でつくばエクスプレスは開業から13年となりますが、事故による死者は調べた限りたったの3名。この低事故率は全ての駅の全てのホームにホームドアが設置してあるという理由が大きいと思われます。ただし、ひとたび事故を起こすと、その復旧には長時間を要します。経験が少ないので慣れていないのでしょう。2017年の10月にみらい平駅で起きた自殺の人身事故では運転見合わせが3時間半も続きました。都内の鉄道が1人自殺した程度で3時間も見合わせたら怒られてしまいます。

さいごに

暇に任せて書いていたら結構な分量になりました。ここまで読んだ人は相当な暇人なんだろうな、と思います。