インターンに行ってきた

インターンに行ってきたぜ

こんにちは。最近体調が安定しない須田です。毎日消化器官をアルコール消毒していたはずなのに風邪をひきました。最近のウイルスは強力ですね。

春休みを使ってインターンに行ってきましたので、感じたことをまとめておきます。

インターンの動機

多くの人はインターンは3年生の夏に行くようですが、僕は2年生と3年生の間の春休みに行ってみました。インターンに行った理由は3つあります。

1つめは「暇だ」という理由。僕は学園祭実行委員会に所属しており、2年生の初冬の学園祭までは忙しく活動していました。しかしそれが終わるとやることがなくなってしまいました。その状態で長期休暇に入れば虚無が1人前完成することは目に見えていましたので、何か強制的に活動できるイベントが欲しかったのです。

2つめの理由は、これが最大の理由なのですが、「自分は学問より働くほうが好きなのでは……?」という疑念の答え探しをしたかったから。2年生を終えた時点の僕は、大学で授業を聞いたり自習をしたりする時間よりも、学園祭実行委員会やクラス代表で働いている時間の方が楽しいと感じていました。大学生活は確かに楽しいけど、実は自分は働いてるほうが楽しいのではないか……?学問と勤労を天秤にかけるのは、大学院に進学するのか否かを見据える中で重要なテーマだと思ったので、実際に働ける場を探そうと思いました。

3つめの理由は

はい。webフロントエンドの弱小エンジニアを名乗りつつ、macOSを持っていないのはヤバいのでは、という思いを募らせていた僕は、お金が欲しかったのです。有給インターンに行けばある程度まとまった金額が手に入る。労働の対価で得たMacはさぞかし高性能だろう……!

インターン先を選ぶ

短期間僕を有給で雇ってくれる温情溢れた企業なら正直どこでも良いというところはありますが、一応応募する基準を設けました。

  • 有給である(重要)
  • そこそこ実務的なところに入らせてくれる(インターン丸出しのところは嫌だ)
  • できれば今持ってる技術分野を使いたい

この基準で応募に申し込むことにしました。実際に申し込んだのは、①fintech系小規模スタートアップ ②大手飲食店系サイト開発運営会社 ③海外向けECサイト開発運営会社 の3社です。

まず ①fintech系小規模スタートアップ について。fintech系にはまったく造詣がなかったのですが、フロントエンドをNuxtで書いているということで申し込んでみました。面接に行ってみたところ、(まあ予想はできていましたが)とにかく即戦力が欲しいとのこと。少し話した後でGitHubで成果物を見せてほしいと言われたので、Nuxtで書いてある自分のホームページのコードを見せました。採用の結果は、NGでした。端的に実力不足でしょう。

続いて ②大手飲食系サイト開発運営会社 について。こちらはインターン募集のフォームを企業ホームページの奥底から探し出して申し込みました。簡単に見つかるようなページではなかったので、おそらく大々的に募集をしているという状態ではなかったのでしょう。書類試験は通過し、面接に行ったのですが、「新入社員の教育でメンター的な立場になれる人が出払ってしまって、調整が難しそう…」と言われ、こちらもNG。ただ、夏休みにインターンに行きたければ、書類選考パス状態で受けさせてくれるようです。

最後に ③海外向けECサイト開発運営会社 について。一応会社としては海外向けECサイトの開発運営会社ということになっているのですが、現在会社として新規事業の開拓に乗り出しているとのことで、社内スタートアップを対象として人員募集がかけられていました。書類選考をパスして面接に向かってみるとすこぶる反応が良く、僕をとても面白がってくれました。その後Skypeでエンジニア面接を行い、インターンに参加することが決まりました。

結果的に3社受けて2社落ちるというなかなか手厳しい結果になったわけですが、申し込みの時期が遅かったことが大きく影響していると思います。というのも、インターンの打診を入れたのは2月も末。「3月にインターンさせてくれ」と2月末に言われても対応できる企業はそれほど無いはずです。今から考えると、よく最後の1社は拾ってくれたなと感じます。

インターンに行く

業務内容

勤務体系としては、2週間の間、毎日10時〜19時でフルタイムでの勤務です。報酬は内緒です。

あまり詳しくは書けませんが、いわゆる社内スタートアップの立ち上げ期に立ち会った形になります。僕が参加した時期としては、サービスの卵がアプリ配信の形で動き出したというタイミングで、次はweb版を作ろうという時期でした。

僕はフロントエンド+αエンジニアということで、NuxtとSaaSのファンクションをモリモリ書く業務にあたりました。webアプリの中でもかなり基幹の部分を書かせてもらえたので、なかなか楽しかったです。

初めてだったこと

初エンジニアインターンだったので、初体験なことがいくつかありました。

一番感動したのは「プロエンジニアのコードレビューすげぇ!」ということ。それなりの分量を書いてPull Requestを飛ばしたのですが、空き時間の20分ほどでガッと読んでレビューしてくれました。レビュー内容もどれもこれもごもっともかつ具体的。これほどクリティカルなレビューを(しかも短時間で)返してもらったことはなかったので、とても刺激的でした。

また、これは社風による部分も大きいのかと思いますが、小さいミーティングがとても多いことにも驚きました。エンジニアとデザイナーのミーティング、エンジニアとプランナーのミーティング、エンジニアと出資サイドのミーティング、それらの組み合わせ……と、単発ミーティングが乱発していました。これだけミーティングしていれば完成像が人によって異なるといった事態は防げるなぁ、と感心しました。(ただ、少しミーティングが多すぎて作業に集中できないのではないか?とも感じましたが。)

辛さを感じたこと

実はサービスローンチ直後に、他社が超強力な競合サービスをローンチしてくるという大事件が勃発しました。僕のインターン先のサービスをパクったというわけではなさそうで、単にタイミングがモロかぶりしてしまったパターンだと思います。まだ僕たちのサービスは(こう言っては何ですが)まだまだ発展途上の段階だったので、かなり出鼻をくじかれた形でした。僕が参加していた2週間の間にも様々な独自性への模索が図られましたが、どれもクリティカルであるとは思えず、スタートアップとしてはかなり陰鬱な雰囲気だったと思います。超強力な競合サービスが出たら太刀打ちできないという、スタートアップの辛さを肌で感じました。

(ただ、インターン最終日も間近というところで少し方向性の違う面白いアイデアが出てきたので、そちらの方向でユーザを獲得できるのではないかと期待しています。)

嬉しかったこと

最も嬉しかったことは、自分が書いたコードが商用サービスとしてきちんとリリースされたことです。今までもクソサービスを作ったり大学からの雇用でwebサイトを作ったりはしてきましたが、会社に属してエンジニアとして書いたコードが世に出るのは今までに無い嬉しさがありました。

エンジニアの方に(これは多分にお世辞が含まれるでしょうが)「コードが読みやすい、コメントの付け方が上手い」と言われたのも自信になりました。せっかく職業エンジニアにレビューしてもらうのだから、と少しだけ気を張ってコーディングしたのですが、コードにもそれが現れてくれたようです。自分が生み出したものが人に褒められるのは単純に嬉しかったです。

通勤について

インターン先は品川でした。インターンに行く前に「絶対に毎日帰宅する」と心に決めていたので実際そうしたのですが、案外なんとかなりました。

ドアtoドアだと片道約2時間の通勤でしたが、電車の中では音楽を聞いたり気になる技術のドキュメントを読んだりして、絶望的に無駄な通勤時間ということはありませんでした。後半1週間は高校時代の英単語帳をめくっていました。

ただ、唯一全力で困ったのは「通勤中のうんこ問題」。僕は非常にお腹が弱く、特に「うんこ駄目です空間」に放り込まれると瞬時にうんこに行きたくなる体質です。通勤電車は世の「うんこ駄目です空間」の最たるものの一つ。毎日1本分余裕のある電車に乗り、必ず途中下車してうんこしてました。ただ、通勤ラッシュ中の駅トイレはどこもかしこも100%満室。毎日が闘いの日々でした。社会人になるまでにお腹の弱さだけは克服しようと強く思いました。

雑感

今思うと、「インターン」というよりは「短期バイト」に近いかなと思うような体験でした。ただ、それでもいろいろ新鮮なことには触れられて、面白い体験だったことは間違いありません。暇で暇でTwitterが捗りまくる春休みよりは有意義な春休みになったのではないでしょうか。

インターンの動機」の章で書いた「『自分は学問より働くほうが好きなのでは……?』という疑念」の答えは、2週間やそこらチラっと働いただけではさっぱり分かりませんでした。短くとも2ヶ月程度、通勤が辛くなる程度までは働いてみないと本当のところは分からないと思いました。これから春学期はみっちり授業シーズンですが、授業を受けつつも継続して考えていきたい所存です。

終わりに

終わります。

MacBook Proが届いたのでシェルの設定をする

ついにMacBook Proが僕の手に!!!! 矢印キーが小さいのほんまクソ。

ということで、せっかくなので秘伝のタレ(コピペ)と化していたシェルの設定をゼロから書き直すことにしました。ペチペチキーボードほんまクソ。

1. ログインシェルの変更

macOSだろうとUbuntuだろうとDebianだろうとCent OSだろうと、基本的にはデフォルトでbashが使われていると思います。bashはダサいしキモいし臭いので他のモダンなシェルに乗り換えましょう。今まではzshを使ってきましたが、せっかくなので他のシェルについてもサクっと調べてみました。

変更先の検討候補に上がったのは以下の3つ。

まずtcsh。こいつはcshとよばれるシェルを拡張したものです。cshはC Shellの略。システムのほとんどがC言語で書かれたUnixと親和性を高めるため、シェルにもCの概念を持ち込んだのがcshです。僕はC言語使いではないのでtcshは違うな、ということで候補から除外。

続いてfish。最近頭角を現してきたシェルで、使いやすい設定がデフォルトでセッティングされており、使いやすいことを売りにしているシェルです。僕も以前話題になったときに少し使ってみていました。このときは非常に快適に使えていたのですが、絵文字を含むコマンドが履歴に入った際に盛大にバグり散らかしたので、泣く泣く使用継続を断念しました。今ではそのバグも治っている(そもそも遭遇した不具合がバグだったのかも不明)かもしれませんが、zshの安定性を考えてzshを選択しました。

ということでログインシェルは(結局今までどおりの)zshに決定!

zshのインストールは

$ brew install zsh

でOK。

brewでインストールした場合、/usr/local/bin/zsh にインストールされるようです。 /etc/shells の末尾に /usr/local/bin/zsh を追記し、

$ sudo chsh -s /usr/local/bin/zsh

を実行すればログインシェルの変更は完了です。

2.プラグインマネージャのインストール

zshを入れたからには使わねばならない、プラグインマネージャ。

zshにはプラグイン機能があり、プラグインを突っ込んでいくことで機能を拡張することができます。このプラグインのインストール・アンインストール等の管理を楽にしてくれるのがプラグインマネージャです。プラグインマネージャによって、設定が非常に簡単なものがあったり、プラグインの読み込みが高速なものがあったりと、得意不得意があります。

プラグインマネージャは盛者必衰・諸行無常の世界で、次々と新しいものが登場しては古いものを駆逐し、あるいは古いものが再興しては新興勢力を薙ぎ払っています。僕は長らくoh-my-zshというものを使っていたのですが、こいつも大分古くなってきた上、あまり評判もよろしくないので、乗り替えることにしました。

シェル本体と同様、プラグインマネージャにも乗り換え候補はたくさんあって

  • zplug
  • Antigen
  • oh-my-zsh
  • zgen
  • prezto

などがあります。(こいつらの中には「俺はプラグインマネージャじゃなくて設定フレームワークだ!」と主張しているようなものも含まれていますが、大きなくくりで見れば同類です。たぶん。)

何を使うか5秒ほど迷ったのですが、日本人が開発していて応援したいなと思ったのでzplugに決めました。5秒で決めたzplugですが、他のプラグインマネージャ用のプラグインも簡単に導入できたり、設定ファイルの文法が非常に分かりやすかったりと、選んで良かった感が半端ないです。これから使っていくうちに致命的なバグに出会わないことを祈ります。

zplugのインストールは下記コマンドにて完了します。

Homebrewでのインストールも可能なようですが、やってみたところ何かが上手くいきませんでした。curlでやったらできてしまったので原因究明は特にしておりません。

$ curl -sL --proto-redir -all,https https://raw.githubusercontent.com/zplug/installer/master/installer.zsh | zsh

インストールが完了すると、ホームディレクトリに.zplugというディレクトリができます。この中にzplugの本体が入っています。シェルの起動時にzplugを設定する必要がありますので、zshの起動時設定ファイルである.zshrcに以下のように書きましょう。

# zplugの読み込み・初期化
source ~/.zplug/init.zsh

########################
# ここにzplugの設定を書く #
########################

# コマンドをリンクして、PATH に追加し、プラグインを読み込む
zplug load --verbose

######################################
# zplugに関係無い設定はここらへんに適当に #
######################################

ここまでできればzplugの設定は完了です。

3. zshテーマの設定

zshはテーマを設定できます。というか正直、テーマを設定できるからzshを選んでいるといっても過言ではありません。テーマというのは見た目のことです。機能には何ら影響を及ぼしませんが、現在の自分のディレクトリ上の位置やホスト名、gitの状態などを表示することができ、設定によっては作業効率爆上げ間違いなしです。

zshのテーマは無限の民が作りまくっているので、ここで列挙することは避けます。ただ、個人的にはpowerlineに対応したテーマが見やすくて良いかなあと感じます。powerline対応テーマを使うとこんな感じの見た目になります。画面左側に見えている矢印みたいなやつがpowerlineの特徴です。かっこいいですね。

f:id:sudame:20190403194708p:plain

oh-my-zshでpowerline対応テーマといえばagnosterで、僕もoh-my-zsh時代はagnosterを使っていました。ただ今回はzplugに乗り換えたということで別のテーマを探し、Powerlevel9kというテーマを採用しました。

インストール

基本的な設定は以下の通りで終了です。.zshrcに追記してください。本稿の末尾で.zshrcを公開しますので、書く場所が分からなかったりしたら参考にしてください。

# zshテーマの設定
# powerline-fontを導入するのを忘れずに
zplug "bhilburn/powerlevel9k", use:powerlevel9k.zsh-theme, as:theme

また、powerline用のフォントもインストールしなければなりません。これは $ brew cask install font-noto-mono-for-powerline でインストールできました。

表示の設定

デフォルトの表示でも十分きれいなのですが、せっかくなので最近流行りの「2行表示」を採用してみました。1行目にはカレントディレクトリを表示し、2行目にはgit配下ならgitステータスを、git配下でなければ空白を表示します。

2行表示の良いところは、コマンドの区切りが見やすいところ(実質的に1行空くので)や、細いウィンドウ領域でも情報量を落とさずきれいに端末を見られるところでしょうか。最近僕も画面分割を頻繁に使うようになってきたので、細いウィンドウで快適なのは重要です。

この設定は以下を.zshrcに加えれば完了です。

POWERLEVEL9K_LEFT_PROMPT_ELEMENTS=(dir newline vcs)

f:id:sudame:20190403195015p:plain f:id:sudame:20190403195225p:plain

ここらへんの設定は使っていく中で調整していきたいので、すぐに書き換わりそうですけどね。

追加の設定

さて、今回インストールしたpowerlevel9kというテーマは、powerlineだけでなくawesome-powerlineにも対応しているというではありませんか。awesome-powerlineは文字面からしてpowerlineの拡張の様子。今回始めて扱いますが、チャレンジしてみました。

先に説明したとおり、awesome-powerlineはpowerlineの拡張です。powerlineで指定されていない文字コードにアイコンフォントを割り当て、端末上にリッチな表示をしようとするものであるようです。

したがって、作業工程は2つ。まずawesome-powerlineに対応したフォントをダウンロードすること、次にpowerlevel9k上でawesome-powerlineを有効化することが必要です。

awesome-powerlineフォントは、既存のフォントと絵文字フォントを組み合わせることで生成できます。すでに生成済みのフォントを使っても良いですし、自分好みに生成しても構いません。

生成済みのフォントを使用する場合、Nerd Fontsというプロジェクトのものを利用することが想定されています。リンク先のpatched_fontの中に生成されたフォントが入っていますので、好みのフォントを探してください。好みのフォントをダウンロードして適用したあと、.zshrcにPOWERLEVEL9K_MODE='nerdfont-complete'と追記すれば動作するはずです。

ところで、Nerd Fontsにあるものは(Noto Monoだけかもしれませんが)アイコンの大きさが何故かやたらと小さいです。これでは見にくいので、僕は手元で生成してみることにしました。フォントの生成についてはこれだけで1記事書けてしまうので、割愛します。(フォントの生成にはFontForgeが必要で、FontForgeを動かすにはLinuxのほうが都合が良くて、しかもFontForgeはPython2.x系で動かすほうが都合が良くて……など様々が様々なのでお気持ち街道まっしぐらになりました。)

4. テーマ以外のzshプラグイン導入

zsh-completions

.zshrcにzplug "zsh-users/zsh-completions"と書くだけでOK。アプリケーションが対応していれば、良い具合にコマンドを補完してくれます。gitのコマンドを打つときなど、先頭の数文字だけ覚えていればタブキー連打で済んで非常に良いです。

f:id:sudame:20190403195345p:plain

アプリによっては補完の横にコマンドの説明も出してくれるので、使い方をうろ覚えなコマンドでもzsh-completionsさえ入れておけばなんとなく使えてしまいます。

zsh-autosuggestions

.zshrcにzplug "zsh-users/zsh-autosuggestions"と書くだけでOK。以前打ったコマンドを保管する形で、入力の先に薄字で表示してくれます。

f:id:sudame:20190403195453p:plain

薄字状態で右矢印キーを押せばそのまま補完されます。

5. zsh本体の設定

さて、最後にzsh本体を設定していきます。と言っても大物は1つのみ。

上下矢印キー補完を使いやすくする

端末上では上下矢印キーで履歴を移動し、過去に使用したコマンドを再利用することができます。それを知っているだけでも十分なのですが、zshを少し設定すれば、「cと打って上矢印キーを押したときは、cから始まるコマンド履歴のみをさかのぼっていく」といったことも可能です。

どういったときに便利かといいますと、例えばrailsの開発ではこの機能が重宝します。railsの開発では、rails db:migraterails generate model hogeなど、railsコマンドを多用します。もちろんrailsコマンドを使う合間にcdlsも乱発しますから、普通にコマンド履歴を叩きまくるのはストレスフルです。しかしここで紹介するzshの設定をしておけば、railsと打って上下矢印キーを押せば、railsから始まるコマンド履歴のみを遡ることができます。

bashから乗り換えて良かったな〜〜と心の底から思ったtipsです。

設定は下記の通り。

# 入力した文字から始まるコマンドを履歴から検索し、上下矢印で補完
autoload -U up-line-or-beginning-search
autoload -U down-line-or-beginning-search
zle -N up-line-or-beginning-search
zle -N down-line-or-beginning-search
bindkey "^[[A" up-line-or-beginning-search
bindkey "^[[B" down-line-or-beginning-search

macOSのlsを駆逐する

lsコマンドには大きく分けてBSD版とGNU版が存在しますが、macOSlsコマンドはBSD版です。僕が長らくUbuntuユーザだった(Ubuntuは当然ながあらGNU版)こともあり、基本的なコマンドはGNU版を使いたいです。一般的にも、UnixコマンドといえばGNU版のことを指す方が多いんじゃないかなぁ……?[要出典]

まず、GNU版のユーティリティをインストールします。このユーティリティにはls以外にもいくつかのGNU版コマンドが同梱されていますが、とりあえずlsの設定だけやっておきます。

$ brew install coreutils

インストールが完了すると、GNU版のlsコマンドはglsコマンドで実行できるようになります。今回はlsコマンドをGNU版に置き換えたいので、.zshrcに以下のように設定します。ついでに、カラー表示するようにしました。

alias ls="gls --color=auto"

f:id:sudame:20190403195655p:plain

ところでこれはおまけですが、lsの詳細表示版ls -laのショートカットとしてlaを設定するのもデファクトスタンダードでしょうか。これもやっておきましょう。

alias la="ls -la"

f:id:sudame:20190403195743p:plain

これで充実したlsライフを送れます。

その他の細々とした設定

コメントを付けていますので、参考にしてください。

# 他のzshと履歴を共有
setopt share_history

# 選択されたテキストの背景色を変更し、ハイライトする
zstyle ":completion:*:default" menu select=2

# パスを直接入力してもcdする
setopt AUTO_CD

# 環境変数を補完
setopt AUTO_PARAM_KEYS

(今日の時点での)完成版.zshrc

# zplugを使ってzshのプラグイン管理
source ~/.zplug/init.zsh

# cdを強化する
# https://github.com/b4b4r07/enhancd
zplug "b4b4r07/enhancd", use:init.sh


# zshテーマの設定
# powerline-fontを導入するのを忘れずに
zplug "bhilburn/powerlevel9k", use:powerlevel9k.zsh-theme, as:theme

### テーマの設定 ###
POWERLEVEL9K_LEFT_PROMPT_ELEMENTS=(dir newline vcs)
POWERLEVEL9K_MODE='awesome-patched'
##################

# 補完の強化
zplug "zsh-users/zsh-completions"

# 履歴補完の強化
zplug "zsh-users/zsh-autosuggestions"

# ここまでに書いたプラグインのロード
zplug load --verbose

#####################################################
################# ここから下はzshの設定 ################
#####################################################

# 入力した文字から始まるコマンドを履歴から検索し、上下矢印で補完
autoload -U up-line-or-beginning-search
autoload -U down-line-or-beginning-search
zle -N up-line-or-beginning-search
zle -N down-line-or-beginning-search
bindkey "^[[A" up-line-or-beginning-search
bindkey "^[[B" down-line-or-beginning-search

# 他のzshと履歴を共有
setopt share_history

# 選択されたテキストの背景色を変更し、ハイライトする
zstyle ':completion:*:default' menu select=2

# パスを直接入力してもcdする
setopt AUTO_CD

# 環境変数を補完
setopt AUTO_PARAM_KEYS


### 永続的なalias ###
alias ls="gls --color=auto"
alias la="ls -la"

### ここから下は環境設定 ###

### なんかiTerm2が勝手に書いたやつ ###
test -e "${HOME}/.iterm2_shell_integration.zsh" && source "${HOME}/.iterm2_shell_integration.zsh"

最後に

MacBook Proが届いたので初日の設定をまとめておきました。今はまだきれいなシェル設定も、今後僕に乱雑に扱われてえっちな姿になっていくのだと考えると、とても興奮しますね。

「こんな設定もおすすめだよ!」「お前の設定はクソだ!」「というかお前はクソだ!」「お前に人権はない!」「焼き肉に行こう!」などというご意見ご感想がございましたら、Twitter@dev_sudame@ITF_sudameにリプやDMを投げつけてください。

情弱が情弱に捧ぐ「Ubuntuの見た目をちょっとクールにする方法」

こんにちは、春休み前半にタスクを詰め込み過ぎ、完全に燃え尽きてしまったすだめです。
ここ1週間程度やる気というやる気がありません。ごめんね各種仕事関係者。

今日は、情報学を学ぶ人がどこかで触れることになるだろう Linux についてのお話です。

想定読者・前提

この投稿の想定読者はこんな人たちです。

  • Ubuntu を使ってみた(使ってみたい)けどなんかダサい(ダサそうだ)と思っている人
  • でも詳しい設定がよく分からない人
  • すだめがどんな設定してるのか知りたい人

この投稿の前提は以下です。

  • Ubuntu GNOME について紹介します。他宗教の人はお帰りください。
  • それほど深い話は書きません。著者が深く話せるほど情強ではないからです。

仕上がり

仕上がり目標はこんな感じです。
画面を見た人から「あれ、これ何使ってんの?」と言われるくらいには Ubuntu 色が薄れてます。たぶん。

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いろいろな要素を表示するデモアプリを起動したときの表示

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ウィンドウ一覧画面

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ツールウィンドウ

忙しい人のために

本稿では、要するに以下のようなことをします。

  1. GNOME デスクトップのインストール
  2. Materia テーマの導入
  3. Numix-circle アイコンの導入
  4. GNOME Shell Extension を適当に導入

やることはこれだけですので、これだけ見て実行できる方はこの後に書かれていることを読む必要はありません。

デスクトップ環境

Linux には「デスクトップ環境」という概念があります。デスクトップ環境とは

ウィンドウシステムにおいて、ユーザーインターフェイスやメニュー、各ウィンドウを統一して表現するための規格や仕様のこと。また、それを実現するユーティリティやアプリケーションを指す。
デスクトップ環境(ですくとっぷかんきょう)とは - コトバンク

ということらしいです。ルー大柴かよって感じですね。
とても簡単に言えば、デスクトップ環境とは「見た目」と「使い勝手」を統一するもの、と考えれば(現段階では)十分だと思います。

今回はデスクトップ環境として GNOME と呼ばれるものを使っていきます。他の Ubuntu のデスクトップ環境としては Unity や KDE と言ったものが挙げられます。なぜ GNOME を選択したのかを語りだすと宗教戦争に発展しますので、ここでは割愛いたします。

GNOME をインストールするには以下のコマンドで。

$ sudo apt install gnome-shell gnome-tweak-tool

GNOME テーマ

GNOME にはテーマと呼ばれる機能があります。テーマを用いることで、GNOME の見た目を統一的にカスタマイズすることができます。

テーマ適用の準備

GNOME はデフォルト状態ではテーマを適用できません。GNOME拡張機能を有効化してテーマを適用していくことになります。
gnome-tweak-tool を起動してください。コマンドラインから起動する場合は

$ gnome-tweak-tool

で OK です。

起動したら、左サイドから 拡張機能 を選択します。拡張機能がズラッと表示されると思いますので、その中の User Themes を有効にしましょう。

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これで、GNOME にテーマを適用できるようになります。

テーマのインストール

私は Materia というテーマを使っています。

このテーマは、Google が提唱していてスマホAndroid にも適用されている「マテリアルデザイン」にできるだけ基づいて設計されたテーマです。
私は Android 大好き人間なので、パソコンもなるべくマテリアルデザイン準拠にしようと思ってこのテーマを選びました。

Materia は上記の公式Githubにある通り、以下のコマンドでインストールできます。

$ sudo add-apt-repository ppa:dyatlov-igor/materia-theme
$ sudo apt update
$ sudo apt install materia-theme

インストールしたら、GNOME のテーマ設定を変更します。
先ほどと同様に gnome-tweak-tool を起動してください。
左サイドから 外観 を選択します。テーマ 項目が表示されると思いますので、GTK+GNOME Shell テーマをそれぞれ Materia に設定しましょう。
もし GNOME Shell テーマ を選択できない場合、gnome-tweak-tool を一度終了し、再度起動してみてください。

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GNOME アイコンのインストール

GNOME デフォルトのアイコンは信じがたいほどダサいです。この世の終わりかと思います。デフォルトアイコンを使い続けるなら Windows Vista の方がまだマシです。最後のは嘘です。

GNOME ではアイコンも簡単に変更することができます。
私は Numix Circle というアイコンセットを利用していますので、本稿でもそのインストール方法を紹介します。

まずは Numix Circle のインストールから。コマンドライン 1 行でインストール可能です。

$ sudo apt install numix-icon-theme-circle

続いて GNOME にアイコンを適用していきます。
テーマと同様、 gnome-tweak-tool外観 を選択します。
アイコンNumix-Circle に設定しましょう。

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見た目の設定はここまでです。
だいぶ麗しくなりましたね。

GNOME 拡張機能

GNOME には機能を追加する仕組みがあり、「拡張機能」と呼ばれます。Google Chrome なんかでもおなじみの仕組みですね。

GNOME Shell Extensions の公式ページから好きなものを選んでインストールすれば良いのですが、私のオススメの拡張機能を数点紹介しておきます。

Dash to Dock

もはや必須の拡張機能です。
GNOME はデフォルトではドック(画面の端に表示するアプリのアイコンが並んだバー)がウィンドウ一覧画面以外で表示されません。
これを改善し、いろいろ設定できるようにしてくれる拡張機能です。

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Dockはこれ

Native Window Placement

あると便利な拡張機能です。
ウィンドウ画面一覧を良い具合にコンパクトに表示してくれます。

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未適用時

f:id:sudame:20180320211521p:plain
適用時

Native Window Placement - GNOME Shell Extensions

Alternate Tab

GNOMEAlt + tab でアプリケーションを切り替えることができますが、同じアプリケーションで複数ウィンドウを開いている場合、アプリケーション単位で切り替えてしまいます。
それはそれで便利なのですが、アプリケーション単位ではなくウィンドウ単位で切り替えたい人も多いはず。
この拡張機能はそれを実現してくれます。

f:id:sudame:20180320211836p:plain
未適用時

f:id:sudame:20180320211836p:plain
適用時

AlternateTab - GNOME Shell Extensions

Open Weather

トップバー(通常画面上部にある、時間などが表示されているバー)に天気予報を表示できる拡張機能です。
天気予報の精度がすこぶる悪いので参考程度に。お天気情報はOpenWeatherMapから取得しています。

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OpenWeather - GNOME Shell Extensions

最後に

忙しいときって「今やらなくてもいいこと」をやりがちですよね。この投稿はそれの結晶です。

芸専通信の「依頼」について思うところ

お久しぶりです。春休みに入ってやたらとタスクが増加して死にそうなすだめです。
これに加えて平日バイトをしているような友人たちには頭が上がりません。
今日はTwitterに書くと余計な炎上を生みそうな案件ですので、ブログに書いていきたいと思います。

バックグラウンド

芸専通信をご存知でしょうか。公式ホームページによると

芸専通信は、学内のイベント毎に宣伝活動を行う筑波大学芸術専門学群の広報部として、10名ほどの有志によって2017年5月につくられました。
-- geitsu-official

というものだそうです。
この芸専通信が新しい試みとしてデザイン制作の受注を始めました。

始めたのは良いのですが、問題となっているのはその価格。
筑波大生の依頼であれば1000円から、一般の方の依頼であれば5000円から受け付けるそうです。

f:id:sudame:20180305002812j:plain geitsu-official
図中にある「トップページに掲出された文章」はこちら

この価格設定について思うところがあったので文章にまとめてみました。

デザイン料の相場

デザインと言っても幅が広いので、ここでは大学生が依頼する可能性が高い(と独断と偏見で判断した)「オモテ面のみのA4サイズのフライヤー」を想定して調べてみます。
画像としてTwitterで拡散したりLINEで回したり、あるいは紙として学類ラウンジに置いておいたりと、"ありがち" なデザイン案件だと思います。

まず見つけたのはこのツイート。

今から半年ほど前にバズったツイートですが、これによるとA4フライヤーの制作費は2万5000円から8万円だそうです。

もう少し調べてみましょう。こちら は株式会社ナウ(大阪でチラシやカタログを作成している会社)のブログからの引用です。

f:id:sudame:20180304231052p:plain
カタログやチラシのデザイン制作料金の相場と内訳を大公開!

これによると個人事業主の場合2万円から4万円という金額が出ています。

また、クラウドソーシング最大手Lancersでフライヤーデザインの依頼欄を見るとこんな具合でした。(ログイン制のサイトなのでぼかし処理をしています)

f:id:sudame:20180304231828p:plain Lancers

こちらもざっくり見たところ2万円から5万円といった価格帯でした。

「筑波大生は1000円〜」という価格設定

以上の調査を踏まえて、この価格設定はデザインにある程度精通している人とそうでない人、両方に摩擦を生じる可能性があると考えました。

まずデザインに精通している人の場合、直感的にこの価格は「安すぎる」ことが分かります。
自らもデザインをしている人であれば、「自分の仕事の価格帯を破壊されるかもしれない」と不安になるのも当然です。あるいは、「1000円程度で作れるデザインなんてたかが知れているだろう」と意味もなく見くびられるかもしれません。

デザインに詳しくない人に対しては「そうかデザイン料ってこんなもんなのか」という印象を与えてしまう可能性が高いでしょう。
芸専通信が何を考えて最低ラインを1000円と設定したのか定かではありませんが、仮に「Twitterのアイコン制作レベルなら1000円で受けてもいいよね」というようなスタンスで設定したとすれば、「1000円でフライヤー程度のものは作れる」と思い込んでいる人と芸専通信の間で近い将来軋轢が生まれる可能性は非常に高いと考えらます。

この価格設定は芸専通信のことを考えた上でも心配の種が小さくないように感じます。

独自性を売り物にする場合はがっぽり貰うべき

これは本当にそう思っています。

利益は差異から生まれます。コンビニはその利便性がゆえにある程度高くても物が売れ利益が出ますし、スーパーマーケットはその安さがゆえに大量に物が売れ利益が出ます。
この「差異」を個人が持っている場合、それは非常に強い武器となります。流暢にはっきりと話すスキルを持った人はアナウンサーとして生計を立てられますし、プログラミングを書く技術を身につけた人はプログラマーとして食べていけるでしょう。
芸専通信の場合、構成員が持っている高いデザイン能力は他のほとんどの大学生が羨ましがる「差異」です。質の高いデザインなど当然誰にでもできるわけではありません。 アナウンスやプログラミングと違い、デザインはいつでもどこでも求められるものです。いつでもどこでも求められるのにそれを実現できる人は少ない、だからデザインは高く付くのです。いや、高く付くべきなのです。

独自性を安く売るという行為は、同じ部分の差異を売り物にしている同業者を危険に晒すだけではなく、自分の価値を下げることにも直結します。
1000円というのは一般的な大学生の1時間分の給料に相当します。1000円で受注したデザインが数十分で完成するなら良いですが、そんなデザインなかなか無いはずです。デザインに費やす数時間はたった数千円程度の価値なのでしょうか。芸専の人がデザイン制作に費やす数時間(数日)は、今まで20年前後生きてきて培ったデザイン能力を活用する数時間(数日)でもあるはずです。これがそんなに安く売られて良いと私は思いません。
何でもかんでもお金に換算するのは下品ではありますが、お金を取る以上、適切な価格帯を設定することが自分たちを守るためにも必要なのではないかと思います。

なぜこんな文章を書いたのか

ここからは自分語りのようになってしまうのですが、「終わりに」に代えて、芸専通信の人も友人関係の中にあるにも関わらずなぜこのような文章を書いたのかを書いておきます。

私は芸専の人をとにかく尊敬しています。
私はイラストは下手、デザインセンスは無い、毛筆はミミズ文字、手は不器用、という究極とも言えるような非芸専人間です。
尊敬するような技術を持った人たちがその尊敬する技術をあまりに安く売っていたら、彼ら彼女らを尊敬する身としては「なんて勿体無いことを…」と悲しい気持ちにもなるのは理解いただけるはずです。

また、実は仲間内で「このデザインは芸専の人にお願いしてみたいね、やってくれたらもちろん相応のお金は出そう」という話がタイムリーにも持ち上がっていました。その話の中で出た金額と今回の金額があまりにもかけ離れていたため、その点でも少々寂しいような気持ちを抱きました。

この文章は私の個人的な意見です。これが総意だ、などと高飛車なことを言うつもりは毛頭ありません。
ただ、少し悲しくなったので文章にまとめてみたまでです。

文末がまとまらなくなってしまいましたが、以上です。

その学類Slack、本当に必要ですか

これは戦争を巻き起こす話題ですが、今回はSlackについて書き連ねたいと思います。

書いていてだいぶ長くなってしまった上に大した内容もない文章なので、Twitterを追うのにも飽きてきたつくばエクスプレスの車内なんかでお読みください。

そもそもSlackとは

Slackの公式ページの「Slackって何?」には次のように書いてあります。

Slack とは一連の業務の拠点となるデジタルワークスペースです。人々と組織、そしてツールをつなぐことで、作業効率を改善し、組織を活性化します。

詳しくは「Slackって何?」を読んでいただければいいのですが、要するにSlackは業務用に特化したコミュニケーションツールです。

大きな特徴は、1つのワークスペース(例えば「情報科学類新歓委員会」)の中に複数のチャンネル(例えば「宿舎入居支援班」「懇親会運営班」など)を持てること。これは会社の中に会議室がいくつかあるようなもの。この機能によって、会話が混ざり合わずに済みます。Slackは仕事をするのにはうってつけのツールと言えると思います。

他にも様々な優れた機能があるのですが、この投稿はSlackを紹介するのが目的ではないので、機能紹介は上記「Slackって何?」やこちらの「Slack使い方完全ガイド」に譲ることにします。

Slack大好き人間が考えること

私をはじめ、Slackを一度使いこんだ経験がある人は「なんて素晴らしいツールなんだ!」と目から鱗ボロボロ状態になります。そしてこう言うでしょう。あらゆる場面でSlackを使いたくなります。そして熱に浮かされたようにこう言うわけです。「クラスLINEをSlackに移行しよう」「学類のLINEをSlackに移行しよう」と。

しばしば起こるLINE vs Slack戦争

私の周りやTwitterのタイムラインでは、しばしばLINE vs Slack戦争が勃発します。LINEを使いたい人の言い分は「LINEで十分じゃないか、なぜSlackに移行するのか」というもの。一方Slackを使いたい人の言い分は「Slackは素晴らしいんだからSlackを使おうよ」というもの。

ここで私の立場を明らかにしますと、私は基本的にはクラスや学類にSlackを導入するのは反対という立場です。

私は筑波大学情報科学類17年度入学者の同級Slackチームを作って運営していますが、その上で、やはりクラス・学類のSlackは不要だったのではないか、という反省をしています。

(ただし、情報科学類はIT系の学類ですし、導入して悪かったとは思っていません。Slackチームを解散するつもりもありませんし、今後も管理していく所存です。)

Slackは意外なほどマイナー

あれほどSlackを褒め称えたのにクラスや学類にSlackを導入するのにはなぜ否定的なのか。

まず、Slackは未だそれほど一般的なツールであるとは言えないという点です。2016年のデータですが、以下の画像 を見ると2016年10月の時点でアクティブユーザー数(推定)は約8万ユーザー。(出典: 毎日400万人が利用する「Slack」、日本の利用状況は?)

Slack MAU 2016

一方、同時期のLINEのアクティブユーザー数は2016年の第4四半期で約6600万ユーザー。(出典: Number of monthly active LINE users in Japan as of 3rd quarter 2017 (in millions))

LINE MAU 2017

本来なら同じ出典元のデータで比較するべきなのでしょうが、この比較だけでも800倍以上の開きがあるのが分かります。

これだけLINEが浸透している日本で、仕事ではなく、かつそこそこ大人数が所属するコミニュティにあえてSlackを導入するメリットは果たしてあるでしょうか。これはズルい論説かもしれませんが、マジョリティはLINEユーザーです。もしSlackを導入することになったとしても、Slackは圧倒的マイノリティであることを自覚した上で丁寧に移行するのが大事と言えそうです。

Slackはコミュニティ外との連絡に弱すぎる

Slackはコミュニティを中心に設計されたツール、LINEは個人を主体に設計されたツールです。

同じコミュニティ内で話しているときはSlackもLINEも問題ないのですが、コミュニティ外の人に連絡を取る手段がSlackにはほとんどありません。

違うコミュニティの数名で連絡をとりたいとき、LINEでは誰か1人ずつが友だちになっていさえすればその場でグループを作って連絡を取ることができます。しかしSlackで同じことをやろうとすると、誰かがワークスペースを立ち上げ、招待URLを参加者に送信し、参加時には名前や表示名を登録してもらい…と非常に煩雑です。

Slackはハードルが高い

Slack未体験の人にSlackを使ってもらうには、まず当然Slackアプリをインストールしてもらう必要があります。今までLINEだけで生活できていたのに、新しくSlackをインストールするというのは若干抵抗があることでしょう。「無くてもどうにかなっていたアプリ」を新たにインストールしてもらうのはまず1つ大きなハードルです。

Slackは高機能ですが、その反面なかなかに複雑なアプリで、使いこなすにはそれなりに慣れが必要です。仕事で必要ならば機能を覚える気にもなりますが、仲間内のコミュニティにはオーバースペックかもしれません。通知1つを取ってみても、様々な設定があります。この設定をミスすると通知が一切来なくなったりもします。わざわざいろいろな設定を覚えるのは煩わしく、これもまたハードルとなるでしょう。

そのグループ、そんなに活発ですか?

Slackの特長の1つは先述の通り、議論が活発になっても話が混ざらないことです。これは言い換えるとSlackを効果的に使える前提条件は活発な議論(あるいは会話でもいいでしょうが)が行われているということです。

そもそもあまり活発ではないコミュニティにはSlackを導入するメリットが薄いです。#generalチャンネルと#randomチャンネルだけのワークスペース、しかもどちらも前の会話は1週間前…なんていうSlackチームはLINEで会話しても何の問題も生じないことが大多数ではないでしょうか。

まとめ

Slackはもともと業務用に作られたツールです。業務用ツールはおとなしく業務用目的で使うのが一番なのでは、というのが1つの結論です。(Slackをbetween代わりに使う異次元カップルなんていうのもこの世界には複数存在しますが、結婚式の2次会をGithub(エンジニアのプログラム共有サービス)で管理する人も存在する世の中なので気にしてはいけません)

確かにSlackは便利かもしれませんが、便利さと必要性はまた別次元の話です。コミュニケーションツールの移行というのはストレートに、大勢にコミュニケーションの方法を変えろという命令となり得ます。便利だからとゴリ押しするのではなく、便利さと負担をよく天秤にかけた上で判断するのが良いのではないでしょうか。

さいごに

これでおわります。

次回つくばエクスプレスに乗るときに少し楽しくなる読み物

こんにちは。Twitterのアカウントが凍結されるとこんなにも暇なんですね。日頃Twitterにどれだけ時間を取られているのか身にしみて分かります。

暇すぎて暇なので、暇つぶしとして暇つぶしに読める投稿を書こうと思います。

交直切り替えポイントを感じろ

いきなり「交直切り替えポイント」などと言われてもなんのこっちゃ、って感じでしょう。

電車というものは、基本的に直流電流か交流電流のいずれかの電流方式で走ります。どちらにも対応するのは面倒ですしコストもかかるので、当然といえば当然です。

しかし茨城県には邪魔者がいます。その名も「気象庁地磁気観測所」。こいつの周囲半径35km圏内では、電車は直流電流で走ることが許されません。電車を走らせるための高圧直流電流が観測を狂わせるからです。

そこでつくばエクスプレスは「路線の途中で交流と直流を切り替える」ということを行います。

その切り替えポイントは、守谷駅みらい平駅の間。直流と交流を切り替えるときに何が起こるかというと、基本的に何も起こりません。車両がガタガタ言うわけでもなければ、急に減速したりすることもなく、当然車内放送なんかもありません。

じゃあどう感じるんだよ、と言われそうですが、ちゃんと感じる方法はあります。つくばエクスプレスはドアの上に停車駅をランプの点灯で示した路線図がありますね。そのランプが、交直切替中は消えます。

車内の照明は点きっぱなしですし、反対側のドアの上にある電光掲示板も点灯していますから、路線図だけ消えるのはおそらくつくばエクスプレスのサービス精神によるものでしょう。

今度つくばエクスプレスに乗った時は、守谷駅みらい平駅の間でジッと路線図を見てみてはいかがでしょうか。

2018/01/23 00:16 追記

交直切り替えのところに、「エアコンが止まる」「屋根上と床下からガコンと音がする」を追加して

だ、そうです。ガコン音は知りませんでした。情報提供は いろどり君。(追記終わり)

筑波大生のオタク度を高める計画がある

筑波大生、オタク多いですよね。僕の周りに多いだけかもしれません。そんな気がしてきました。

オタクの祭典といえばコミケコミケといえば国際展示場。行ってみると分かりますが、つくばから国際展示場に行くのは案外面倒くさいです。今まで山のような筑波大に生息するオタクが「つくばエクスプレスが国際展示場まで伸びればなあ」と思ったことでしょう。いや、そんな贅沢想像さえしなかったかも知れません。

実はそれ、国が計画しています。

そもそもつくばエクスプレスは「常磐新線」として構想され、元々は国鉄、JRが運営するはずのものでした。しかしJRが予算不足であり、しかもJRは「茨城に新路線?儲からないっしょww人いねぇじゃんwwwwwww」というスタンスだったので、計画はJRの手から離れます。

しかし筑波大学もできたことですし、計画の沿線自治体はどうしても鉄道を誘致したい。そこで自治体が取った作戦は「鉄道の沿線自治体が株主となり、私鉄として鉄道を敷く」というもの。いわゆる第三セクターという形です。

この当時、つくばエクスプレスの東京都側の終着駅は「東京駅」でした。実際、 流山市の資料には東京駅のどのあたりにつくばエクスプレスのホームを置くかという具体的な図まで載っています。

しかしつくばエクスプレス第三セクター。お金がありません。秋葉原駅から東京駅まで開業するには1000億円も不足がありました。困ったつくばエクスプレスは、「1000億円をかき集めるよりも、とりあえず先に秋葉原つくば間を開業させる」という策を取りました。これが今のつくばエクスプレスです。

つまり、つくばエクスプレスはまだ発展途上路線、建設計画はまったく完遂されていなのです。

以上の通り、開業当時からつくばエクスプレスを東京まで伸ばすという話はありました。

物語はまだ終わらず、首都圏にはもうひとつ全く別の計画が存在しました。それは「東京駅付近と東京臨海部をつなげる」というもの。これは豊洲市場がオープンすることともリンクした話です。その東京臨海部に何があるかというと、そう、国際展示場です。この計画の大枠は「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」ですから、国際展示場駅(あるいは付近の駅)には接続すると考えて問題ないでしょう。

これらの2つの計画を抱えた国が何を考えたかというと、「2つの計画合体させれば安く済むんじゃねw」という安直極まりないアイデアです。つまり、「つくばエクスプレスを東京まで延伸、ついでに東京臨海部まで鉄道を敷き、そいつらを相互運用する」という案が突如として浮上したというわけです。

ダラダラと書きましたが、要するにつくばと国際会議場を直結させるという計画を国は考えているということです。そんなの須田の妄想じゃねぇの、と思う方はこの資料の30ページをご覧ください。

めちゃめちゃ速いつくばエクスプレス

つくばエクスプレス、高いですよね。その分速いという意見もありますが、まったくもってその通りです。

どのくらい速いかというと、なんと国内最速です。

さすがに新幹線や特急列車には負けますが、追加料金無しで乗れる列車(JRで言う「普通」「快速」のくくり)の中では北海道の「快速エアポート」、瀬戸大橋を渡る「マリンライナー」、常磐線の快速に並んで国内最速の130km/hです。つくばエクスプレスの快速はつくば-北千住間の停車駅が極端に少ないため、この区間ではほとんど100km/h超えをキープします。

また、今回この投稿を書くために調べていて初めて知ったのですが、この資料によると、将来的な最高時速は160km/hだそうです。そこら辺の特急よりも速いですね。都内まで30分という未来も遠くないかもしれません。

つくばエクスプレスは地下にもぐってみたり比較的キツいカーブがあったり高架区間があったり川を渡ったりと、かなり車景が楽しい路線です。乗客が多くて立たなければならないとき、しれっと運転室の後ろに立って前面の景色を眺めてみれば楽しいこと間違いなしです。

いろいろ無い

つくばエクスプレスに乗っていると、やたらと線路がシンプルなことに気づきます。鉄道好きじゃないと気づかないと怒られそうですが、とにかく気づいたことにしましょう。

なぜシンプルになっているかというと、普通に目に見えるところに信号機が無いことと、踏切が1つも無いということが原因でしょう。

つくばエクスプレスの信号機はどこにあるかというと、運転士さんの目の前、あのゴチャゴチャした機械の中にあります。つくばエクスプレスでは信号機を設置したり整備したりするコストを下げたり、「都内に入ったらキツキツのダイヤ、都外では高速運転」という特殊な運転に対応したりするため、他の鉄道ではよく見かける地上配置の信号機を無くし、列車本体に信号機を組み込んだのです。

つくばエクスプレスには踏切もありません。踏切は事故の多発ポイントですから、踏切が多い路線では手放しに列車を高速で走らせるわけにはいきません。どうしても高速で走らせたいつくばエクスプレスは、踏切を1つも作らないことにしました。道路が多くすでにたくさん鉄道が張り巡らされている都内では地下を、郊外では周りより一段低くしたり逆に高架にしたりして対処しています。しかしこのような路線を建設するには莫大な資金が必要です。先にも記したように、つくばエクスプレスが東京駅ではなく秋葉原駅発着である原因は資金不足。踏切がなく安全な路線を建設する代償として、つくばエクスプレスの終着駅は秋葉原になったと言っても過言ではないでしょう。

「無い」に絡めますと、つくばエクスプレスでは人身事故がほとんど発生しません。2018年でつくばエクスプレスは開業から13年となりますが、事故による死者は調べた限りたったの3名。この低事故率は全ての駅の全てのホームにホームドアが設置してあるという理由が大きいと思われます。ただし、ひとたび事故を起こすと、その復旧には長時間を要します。経験が少ないので慣れていないのでしょう。2017年の10月にみらい平駅で起きた自殺の人身事故では運転見合わせが3時間半も続きました。都内の鉄道が1人自殺した程度で3時間も見合わせたら怒られてしまいます。

さいごに

暇に任せて書いていたら結構な分量になりました。ここまで読んだ人は相当な暇人なんだろうな、と思います。

coins Advent Calendar 2017 とは何なのか

これは coins Advent Calendar 1 日目の記事です。遅れてごめんなさい。

coins Advent Calendar 2017 の Adventar は こちら

自己紹介

こんにちは、coins17を代表するイキり人間、すだめです。そろそろイキり過ぎて周りの目が辛くなってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

Twitterアカウントは @ITF_sudame です。FacebookInstagram は頑張って見つけてください。

最近は Sarahah 用の Chrome 拡張を書いたりしています。またイキりが出ましたね。残念な人間です。

せっかく coins Advent Calendar 2017 を立てたのにイマイチ参加者がふるわないのでこの記事を書いております。

Advent Calendar とは

本題です。
Wikipedia によると、 Advent Calendar とは

アドベントカレンダー(Advent calendar)は、クリスマスまでの期間に日数を数えるために使用されるカレンダーである。アドベントの期間(イエス・キリストの降誕を待ち望む期間)に窓を毎日ひとつずつ開けていくカレンダーである。すべての窓を開け終わるとクリスマスを迎えたことになる。

とあります。

5年ほど前から、エンジニア界隈でこの文化を真似て12月1日から25日まで1日1記事、思い思いの記事を書くというのが流行しています。これがここで言う "Advent Calendar" で、日本で有名なものには Qiita Advent CalendarAdventar があります。この2つのサイトをざっくり眺めれば雰囲気が分かるのではないでしょうか。

conis Advent Calendar とは

conis Advent Calendar は、2014年から毎年開催されている Advent Calendar です。毎年テーマは自由で、ご飯の話や履修についての話、Webサービスを作った話やcoins機室のハック的活用法など、幅広い話題の記事が咲き乱れています。

毎年25日分すべての記事が埋まることは残念ながら無いようです。2014年は17人、2015年は9人、2016年は16人。これぞcoinsという感じの人の集まり具合ですね。

今年は Advent Calendar が立ち上がる気配すら無かったので、1年生の分際ですが僕が立ててしまいました。現時点での登録人数は4人。人望の薄さが表れてますね。豆腐メンタルが麻婆豆腐になりそうです。

coins Advent Calendar に投稿しよう!

先日、とあるcoins生に「すだめは意識高いよね〜〜」と言われました。僕が意識高い(系)かどうかは知りませんが、少なくとも coins Advent Calendar は意識が高いものではありません。

先述の通り、 テーマは自由です。何だったら、記事でなくても構いません。自分のTwitterをまとめたものだったり、絵だったりしても良いかも知れません。coins Advent Calendar は敷居の高いものではありません。気楽に、自由に投稿できるものです。「私なんかがエントリーしてはいけないだろう」「私はそんな人じゃない」と言わず、書きたいこと、発信したいことがある人は、いや、ない人も絞り出して、ぜひぜひエントリーしてください。

人の考えを垣間見るのは楽しいものです。coinsの皆さん(僕は主に17生を想像してますが)、ぜひ Advent Calendar に投稿しよう(懇願)!僕が悲しくなっちゃうから!